ベルスタッフとは
お客様の荷物を運んで案内する、フロントサービスの要。
ベルスタッフとは、ホテルに到着したお客様の荷物を持ち、フロントや客室に案内する職業です。女性の場合は「ベルガール」や、性別に関わらず「ベルボーイ」「ベルパーソン」「ポーター」と呼ばれることもあります。「ベル」はホテルや宿泊施設で従業員を呼ぶ際に鳴らすカウンターに置いているベルに由来していると言われています。
フロントやロビーで同様にお客様を案内するドアマンやフロントスタッフと連携して、お客様をスムーズに誘導することが求められます。ホテルの宿泊部門の「フロントオフィス」と呼ばれるフロントスタッフに対して、ベルスタッフとドアマンは「フロントサービス」を担います。ドアマンに比べるとベルスタッフはホテル内を動き回り、お客様と直接的にやりとりをする機会が多いです。
ベルスタッフの主な仕事内容
荷物を運び、お客様に快適な滞在やホテルへの安心感を提供する。
ベルスタッフの仕事は、お客様の荷物をフロントから客室まで大切に運び、ホテルの案内を行い、快適な滞在をサポートすることです。お客様の近くで物理的なサービスを提供する間に、身なりや所作などから、ホテルへの安心感や期待感、信頼を与える役割も果たします。
ホテルに到着したお客様の荷物をドアマンから引き継ぎ、チェックインカウンターまで運びます。チェックインが完了したら、ホテルのカートを必要に応じて使用して、お客様の荷物を客室まで運搬します。チェックアウト時にも客室からロビー、ロビーから玄関まで荷物の運搬をサポートします。
チェックイン後に客室までお客様を案内する間に、ホテル内の施設や設備、観光スポット、周辺エリア情報などをお客様に伝えます。客室に荷物を運び終えたら、お客様が快適に滞在できるように空調の取り扱いなど室内設備の使用方法の説明を行います。
ベルスタッフが常駐するベルデスクで、チェックイン前やチェックアウト後にお客様の荷物の一時預かりやタクシーやレンタカーなどの手配を行います。ホテルで特別なイベントがあれば会場のセッティングを手伝ったり、お客様の車の駐車や出庫を代行したり（バレーサービス）と、さまざまな業務を行います。
ベルスタッフになるには
接客スキルとホスピタリティ精神を磨く
ベルスタッフはお客様と直接お話しして案内するので、基本的な接客スキルはもちろん、コミュニケーション力や広い観察力が求められます。ホテル全般の知識や情報を網羅する必要があるため、新人ホテルスタッフが最初に配属されることも多いです。未経験から業務を通じてスキルを身につけることも可能ですが、ホテルの専門学校で知識や技術を学ぶことで、質の高いサービスの提供に役立つでしょう。
必要なスキルや知識
年齢や国籍を問わずさまざまなお客様と直接関わるため、正しい言葉遣いや接客マナーを身につけ、円滑にコミュニケーションを取ることが求められます。英語など複数の言語を話せると、海外のお客様が宿泊する時の安心感につながるでしょう。
長時間の立ち仕事で、フロントから客室まで重量のある荷物を何度も運びホテル内を動き回るため、体力や持久力が必要です。健康管理や足腰のトレーニングなど日頃から体力の維持に努めなければなりません。
他職種に比べてホテル内を動き回り、お客様との接点の多いポジションであるからこそ、お客様へ細やかな気配りが欠かせません。フロントやロビー全体に目を向け、困っていたり迷っていたりするお客様を見かけたら声をかけるなど、臨機応変に対応することが求められます。
ベルスタッフの資格・試験情報
必須資格はないが、マナーやサービスの質の向上に繋がるものも。
ベルスタッフになるために必須の資格はありません。マナーやサービスに関わる検定を持っておくと、サービスのクオリティを上げる参考になるでしょう。
ベルスタッフのやりがい
人の役に立つ喜びを得られ、ホテルの印象形成に貢献できるポジション
ベルスタッフはお客様と近い距離で関わるので、お客様から直接感謝の言葉を受け取る機会が多く、自身の仕事で喜んでもらえるという達成感を得ることができます。人と関わることが好きで、人の役に立つ仕事がしたい人に向いているでしょう。語学力を活かしたり、多くの人と関わったりする中で自己成長できることも喜びになります。ベルスタッフはお客様のホテルへの印象や満足度に直結します。ホテルのイメージアップやリピーター獲得など、ホテルに大きな影響を与えるポジションです。
