ホテル業界を目指す人が、必ず一度は思い浮かべる疑問があります。それは「どの程度の英語力が必要なのか？」という英語に関するもの。当然ながら英語が使えて損になることは世の中に何もありません。仕事とは関係がなくても英語ができないよりはできる方がいいに決まっています。

ホテル業界を目指している人が思う英語力についての疑問は、「どの程度の英語力が必要なのか」というところでしょう。英語が必要なのは十分理解していたとしても、次に出てくるのは程度の問題です。

しかも、現段階で英語力に自信がない人であれば、このことが就職に対する不安材料にもなります。

そこで、ホテル業界への就職と英語の関係について実施のところを考察してみました。

ホテル業界に就職するには、何よりも即戦力となるスキルとホスピタリティを身に付けることが大切です。

利用客は、ホテリエ＝英語ができる人と思っている

日本国内のホテルであっても、これだけ世界中から訪日客が集まってきているのですから、当然英語力は必要です。今や英語力は「あった方が良い」のではなく、「無いと仕事にならない」というのが実際のところです。

とは言え、ホテルで使う英語なので、ネイティブスピーカーのように何でも話せるようでなければならない、というわけでもありません。ホテルの中で交わされるような会話において不自由なく使えるのであれば、十分仕事になります。

ホテルを利用する人はどこの国の人であっても総じて、ホテリエ＝英語ができると思っているのは事実です。日本国内資本のホテルであってももちろんそうで、外資系ホテルとなると社内の連絡も英語ベースになるので、より英語力は重要になるでしょう。

心配はご無用、必要な英語力は今からでも間に合う

これから高校卒業後の進路として、将来はホテル業界という構想を持っているのであれば、今からでも英語力を身につける時間はいくらでもあります。現段階で英語力の心配をする必要はないと言っても良いでしょう。

大阪ホテル・観光＆ウェディング専門学校にはホテルワールドというホテル業界を目指すための専門学科があります。そのカリキュラムには、もちろん英語もあります。いえ、「英語もあります」というより在学中の 3 年間で英語力をしっかり磨き上げます。2 年次には 6 ヶ月間の専門留学がありますが、その留学に向けての英語力アップ授業も組み込まれているので、英語に自信がないという状態の人が始めても、ホテリエとして十分通用するだけの英語力は半ば強制的に見につきます。

英語を含む語学力というのは勉強したり覚えるものではなく、自然に身につけるものなので、本校ではその自然な習得に力を入れています。

ホテリエの商売道具は英語だけではない

ホテリエなどホテル業界への道を目指している人にとって、英語はとても大きな要素であり、苦手だと思っている人にとっては不安材料でしょう。その存在が余りにも大きいので本質への関心が薄れがちですが、基本的に接客業であるホテル業界の仕事では、英語は単なる手段に過ぎません。ホテル業界で活躍できるか、それ以前に就職できるかというポイントは全く別のところにあります。

少し想像してみていただきたいのですが、「英語が堪能だが、それだけの人」と、「英語は勉強中だが、仕事が出来る人」という 2 人の人材がいたとして、どちらがホテル業界で成功すると思いますか？これはもう、正解を言うまでもありませんね。これはホテル業界だけに言えることではなく、最も英語力が求められそうな外資系企業においても、実は語学力よりも別の次元でその人の総合的な能力で採用の可否を判断しています。外資系企業ですら、英語力はスキルのうちのひとつであって最優先されるものではないということです。

大切なのは自己分析、そして自己アピール

就職活動で最も大切なのは、正確な自己分析とそれに基づいた自己アピールです。これはホテル業界に限らず、どの業界でも言えることです。英語力だけで採用の可否を判断するのであれば、「TOEIC 〇〇点以上」という基準だけを示しておいて、後はよほど変な人ではない限り面接試験だけで採用を決める方がホテルにとっても楽なはずです。

しかし、実際にはホテルの就職試験はそんなに簡素なものではありません。高いホスピタリティや一流の身のこなしが求められる業界だからこそ、英語力だけでは判断できない部分をしっかりと見てから採用したいと考えているのです。

ホテル業界に英語力はとても重要なスキルですが、それは後から勉強すれば身につけられるもの。大切なのは、それ以外の部分でその人にしかないものをどれだけ持っているか、その人が持っているものがホテルをどれだけ発展させられるか、なのです。