現在、日本はホテル業界が空前の好景気です。理由はもちろん、訪日外国人の増加でホテルが足りないと言われるほど多くのゲストが利用しているからです。その関係でホテルの数も急増、ホテリエ(ホテルマン)の求人もそれに合わせて多くなっているので、ホテリエを目指す人にとっては「オイシイ環境」が続いています。
このような就職先としての魅力は目に見えているので分かりやすいのですが、実際に働いてみてどうなの?というところまでは実際に働いている人に聞いてみないことには分かりません。 ホテリエの仕事でどうなの?働いてみて良かったことは?そんな疑問を現役のプロにぶつけてみましたので、その答えをまとめました。
ホテル業界に就職するには、何よりも即戦力となるスキルとホスピタリティを身に付けることが大切です。
「おもてなし」のプロとしてたくさんのスキルが身に付く
ホテルの中でも一流ホテルと呼ばれるようなところを利用したことがある人であれば想像しやすいと思いますが、ホテリエはおもてなしのプロです。丁寧な言葉遣いや物腰の柔らかさ、姿勢の正しさまで、その立ち振る舞いは見ていて芸術的だと思うことすらあります。
もちろん一流ホテルではなくても、ホテリエという立場で働いている人たちを見ていると「さすがプロ」と感じることはよくあります。
正しい姿勢や美しい歩き方、敬語の使い方、こういうことが仕事を通じて自然と身に付くのはホテリエの特権です。こういったスキルはホテル業界以外でも役立つことが多いので、普段の生活でも礼儀正しい人、マナーの行き届いた人という印象を与えることでメリットになることは数えきれません。
語学を含むコミュニケーション能力の上達
ホテリエは常に多くのゲストと接する仕事です。世界中の人と話す機会が日常的にあるので、当然ながら語学力が身に付きます。もとからある程度の英語力を求めているホテルは多いですが、実際に仕事で使うようになるともっと実践的な英語力がメキメキと上達します。
最近では英語だけではなく中国語や東南アジア、アラブ圏の言葉など、日本にやって来るゲストの言語も多彩です。自分からそういう人たちとのコミュニケーションを図るように努力していけば、英語以外の語学力も学び放題です。
語学力とは別の次元で、人と接することで磨かれるのがコミュニケーション能力です。単に丁寧に接するというだけでなく、相手の話を聞き取る能力、そして自分の話を伝える能力というのは、今やとても重宝される能力です。
ホテリエとして就職した人が一生ホテリエを続けるかどうかはその人次第ですが、ホテルの仕事で身に付けた語学力やコミュニケーション能力はどんな業界でも引く手あまたになる大切なスキルです。
地理、タウン情報に詳しくなる?
ホテルを利用するゲストはホテリエに色々な質問をしてきます。その中でも多いのが、ホテル周辺の地理やタウン情報についてです。これは一流ホテルや安いホテルなどに関係なく、すべての宿泊施設に共通していることです。
よく聞かれるということは、それに答えているうちにホテリエ自身もホテル周辺、はたまたもっと広い範囲の地理やタウン情報に詳しくなっていきます。ホテリエの中にはそうやって得た情報をもとに個人的なレストラン選びに活用している人も多いので、あまり人が知らないような情報に詳しくなるのはホテリエの役得かも知れませんね。
何と言っても「ゲストからの感謝の言葉は最高のモチベーションアップに」
ホテルはサービス業の中でも他の業種からお手本とされるような世界です。そんなサービスの最前線にいるホテリエにとって、そのサービスに対するゲストからの感謝の言葉は最高のモチベーションアップとなります。